手描き図面はプレゼンテーションのためでなく、まったくの白紙からデザインを生み出すために、鉛筆一本でのラフスケッチから展開させています。
もちろんCAD(設計製図ソフト)は業務上必須となる場面も多々あり私達もよく活用するのですが、それは建物のプランが決まり施工へ向けた準備に入ってからであって、作業ツールの一つに過ぎません。
なぜここまで徹底して手描きにこだわるのでしょうか?
答えは至ってシンプルです。
施設経営者であるあなたの想いを、「建築」という目に見えるカタチに余すところなく落とし込むためです。
「手は第二の脳である」の言葉通り、実際に手を動かし鉛筆を走らせていくと、建物のコンセプトを司る要素の数々が、一本一本の線に乗ってありありと表現されていくものです。
人間の行動領域、求めている距離感、光や風…。これらが線の強弱や伸び具合などに反映され、寸法を伴った図面に落とし込まれます。
このプロセスを経て、経営指針や治療・ケアの方針、医療や福祉に対する「想い」までも目に見える形に具現化できるのが、「手しごと」最大のメリットと考えます。
パターン化された要素の組み合わせや他の事例のコピーとは無縁のプロセスで唯一無二の建物を創ることが、私達の使命です。
実際の工事現場まで見越し、図面を詳細まで正確かつ明確に描くこと。
そして図面通りに施工が進んでいるか、この目で丁寧に工事監理すること。
これらのことは、部材のズレや納まりの悪さなどを防ぎ、建物を美しく仕上げるための鉄則と言えます。また、施工中に予想外の費用が発生する、といった事態の予防にもつながります。
設計技術にゴールはありません。お施主様の大切な建設費、そして建物という財産価値を専門的な立場からしっかりと守れるよう、日々技術向上に努めています。
「手しごと」で感覚的な機微まで表現した基本プランを固めたあとは、
その内容が施工者に明確に伝わるよう、設計図書に詳細まで落とし込む…。
この2ステップが永く愛用できる建物づくりの原則であり、
原則に忠実であることでお施主様に安心と幸せを届けたいというのが、
WARAKUSHAが設計に対して抱いている想いです。