こんにちは。
スタッフ 里沙です。
和楽舎の事務所では、BGMとして
地元静岡のFMラジオ
「k-mix」
をかけています。
仕事場でFMラジオをかける文化は、
所長の独立前の事務所から引き継がれているようです。
私にとってラジオの思い出と言えば
中学時代に自分の部屋でこっそり聴いた
オールナイトニッポン。
その時間だけはちょっぴり大人になれた気がして
嬉しかったものです。
いつしか疎遠になっていたラジオと
和楽舎に入ってから再び接点ができて、
最近はプライベートでも聴くようになりました。
今おすすめの番組は
地元k-mix
「宮城聰の頭のなか」
(土曜19:00~19:30)
です。
宮城聰さんは、
SPAC(静岡県舞台芸術センター)の
芸術総監督で演出家。
毎回世界の文化や時事ネタに関する「お題」があって、
森羅万象を深く掘り下げ
自身の芸術として昇華させている宮城さんの視点から
持論を展開していく、というものです。
前回は、日本の「民芸」がお題でした。
民芸とは、いわゆる芸術作品でなく
民衆の暮らしのなかから生まれた工芸品。
実用品ですから、
作者や作品説明も、通常ありません。
このような民芸の美しさは
「用の美」
などと言われます。
この回での宮城さんの考察は、
この「用の美」は
いわゆる「機能美」とは
違うのではないか?という仮説から
展開されていました。
「機能美」とは
必要な機能を配置したら
自然発生的に美しいデザインになった、
というような
「理に適った」デザインのことを言います。
そして彼は、この
「機能美」が生まれることは
滅多にないかもしれない、と言います。
ところが「用の美」は機能先行ではなく、
「美を求める人の心理」が先行しているのでは、
という内容でした。
「思わず使いたくなるデザイン」が先行して、
結果として多くの人に愛用されることになった。
というような。
と、(大幅に省略していますが)こんなラジオです。
建築ではストーリーや芸術性も醍醐味のひとつだし、
機能美も実現させたいし、
人間が暮らして使うからには民芸的要素も大切。
そして時代が進んた今、
これらの境も良い意味で曖昧になってきている。
これからも追及していこう...と思ったのでした。
宮城聰さんのラジオ。
語り口調がとても穏やかで、
ユニークながら明るい展開で、
結論を押し付けることもなく。
毎週30分の独特の世界観に、
すっかりファンになってしまいました。
静岡県民でない方は、ラジオアプリradikoから聴けます。
アート好きの方は、
ぜひチェックされてみてくださいね!
(スタッフ:里沙)