こんにちは。
スタッフ 里沙です。
東京オリンピックが開幕しましたね。
開会式の様子を視聴された方も多いのではないでしょうか。
開会式の会場は、「新国立競技場」。
無観客での開催にもかかわらず、
一見、観客席は満員のように見えます。
(写真:NHK特設サイトより)
満員に見える理由は椅子の色。
5色に分かれ、モザイク状に配置されているのです。
「まるで無観客を予見していたかのよう」
と一部で話題になっていたので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
この5色は「森の木漏れ日」のイメージで
配色されています。
(写真:日経XTECHより)
客席全体を見ると
グリーン系の色をベースに、
下層の席は大地を思わせるブラウン系、
上層の席は空や光のホワイト系へと
グラデーション状に移り変わっていきます。
この競技場の建築コンセプトは
「杜(もり)」のスタジアム。
椅子にもそのコンセプトが踏襲されているのですが、
同時に設計者の隈研吾氏は
「五輪以外のイベントでスタジアムが満員にならなくても
寂しい雰囲気にならないように」
という趣旨のコメントを、計画当初にされています。
色のチョイスが自然界のアースカラーであるため、
人間の肌や髪に入っている色でもあり、
無観客でも満席のような印象を受けるのだろうと思います。
クリニックのインテリアデザインにも、
明るめのアースカラーを採り入れると
安心・健康な印象に仕上げることができます。
話は戻りますが、
観客席の設計は見やすい工夫が盛りだくさん。
観客スタンドの勾配を可能な限り急にして
選手との距離感を近くしています。
3層に分かれたスタンドは角度も緻密に計算され、
1層目から順に20度、29度、34度と
どこからでも観やすいよう設計されています。
選手・観客が一体となり、
同じ空間で盛り上がれる日を願っています!
参考:
「新建築 2019年9月号」(新建築社)
「日経XTECH 2021年7月21日」
(スタッフ:里沙)