こんにちは。
スタッフ 里沙です。
先日、
佐渡裕/反田恭平コンビが浜松に来られたので、
コンサートを聴きに行ってきました。
佐渡裕さんの華やかでダイナミックな指揮と
反田恭平さんの筋肉質なピアノが見事にマッチしていて、
終始大感激でした!
演目で言うと
ラフマニノフを2本も弾くコンサートは非常に珍しく、
お二人の並々ならぬ体力・気迫に
畏敬の念がいまだ止まりません。
さて、今回の会場
「アクトシティ浜松 大ホール」の
建築的なこともご紹介したいと思います。
会場の撮影はNGでしたが
今回のホールは
「プロセニアム形式」といって、
ステージが額縁のようなもので縁取りされ、
客席と仕切られているタイプです。(画像は他会場)
違ったタイプのホールには、
客席とステージが一体となった「オープン形式」があります。
プロセニアム形式のホールは
客席から絵画を見るように額縁状の舞台を視聴するため、
非日常感が味わえるというメリットがあります。
オペラやバレエ、歌舞伎にもこの形式が適しています。
一方でオープン形式に比べて
音響的にも舞台と客席とが分離されてしまうという
デメリットが。
このデメリットに、ホールでは
建築・設備の両面で対策されています。
まずは建築面。
これは多くのホールに共通する仕掛けですが、
舞台側では音を反射し、
客席側では舞台からの距離や角度によって
正反射、乱反射、吸音の建材を使い分け、
最適な音響が得られるよう設計されています。
アクトシティ浜松の大ホールでは、
舞台の天井機構は可動式になっており、
公演のタイプに応じた反射板の取付ができるようになっています。
また、客席の壁の凹凸は音を適切に拡散させるためです。
カサカサ音のする服を着ていくと、
想像以上に音が響くことがあるので要注意です。
ちなみに設計時には、
客席の椅子張り布や観客の服による吸音も計算されます。
冬のコンサートでは、吸音しすぎを防ぐために
クロークにコートを預けてください、という公演も...。
そして設備面。
アクトシティでは地元・ヤマハに関連して、
ヤマハサウンドシステム(株)の電気音響技術
「音場支援システム」が用いられ、
空間や公演の用途に応じた音響制御ができるようになっています。
伝統的なクラシック音楽も
現代の技術でどんどん良い音が聴けるようになっており、
これからもさらに進化するのでしょうね。
今回のコンサート。
コロナ渦で何かとリモートが多いなか、
生の音の振動のありがたみ、
演奏者の方々の熱気、
そして佐渡さんの面白トークを
身体いっぱいに感じました!
(スタッフ:里沙)
参考: アクトシティ浜松 大ホール